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40代の転職

JA組織内部の体制

私が過去に勤務していたJA(農業協同組合)は、CMで宣伝していたり、皆さんのお近くにも店舗がある全国的な巨大組織です。
最近ではCMに女優の有村架純さんと浜辺美波さんを起用したり、アンパンマンもイメージキャラクターとして採用されていますね。

しかし、その知名度と組織の大きさの裏側はそんじょそこらのブラック企業をも越えるブラックっぷりがあります。
有名なのは「ノルマと自爆」です。
JA共済や農産物・家電といった様々なノルマを職員に課せ、達成できなければ自腹を切ってでも達成しなければならない「自爆」があります。

そんなブラック体質であるJAについて、その内部組織についてご説明したいと思います。
なぜノルマと自爆が横行するのか、なぜそのような事態になっているにも関わらず旧態依然としているのか、それらの理由をJAという巨大組織の内部事情の面から解説していきます。

これから転職をされる方たちに知ってもらいたいのですが、巨大な組織だから安泰だ!と安易に思い込まないでほしいのです。
巨大な組織だったとしても、実際入社してみたらブラック体質だったという私のような二の舞は避けてほしいと思います。

・JAという組織はピラミッド構造
JAバンクとかJA共済とかCMで色々聞くと思うのですが、実際のJAは結構複雑な組織体制をしています。
JAという組織はただ1つの組織ではなく、基本的に3段階に分かれています。

①(トップ組織)JA全中・JA全農・農林中金・JA共済連
②(都道府県単位)JA都道府県中央会・JA都道府県経済連・JA都道府県信連など
③(各地のJA)JA〇〇

公務員の組織体制と非常に似ています。
国・都道府県・市町村といった感じですね。
全国にまたがる大きな組織だからこそ、このように分割したほうが効率的ということなのでしょう。

そして、各段階の組織は別々の組織なので人事異動で各地のJAからトップ組織へ行くなんてことはありえません。
それぞれ別会社と思っていただいた方が解りやすいと思います。
あなたのお住まいの地域のJA〇〇と隣町のJA△△は、同じJAと名は付いていますが全くの別組織です。
JA〇〇とJA△△はそれぞれ別の決算をしているし、職員も全く異なります。
もちろんトップ組織と都道府県単位の組織もほとんどが独立した別組織です。

JAとあまり関わりのない方の中には、「農協って公務員じゃないの?」とか「JAって全国的に有名な巨大企業じゃん!」と言われる方もいらっしゃいます。
JAは全く公務員ではないし、ネームバリューはあっても最下層のJA〇〇の実態は悲惨です。
ちなみに私が過去に勤務していたのは各地のJAであるJA〇〇です。
つまりJA組織の最下層ということ。

表向きはJAグループという言い方で全て平等で1つの集団のように聞こえますが、ご覧の通り完全なピラミッド構造の組織なので、トップ組織の命令は絶対です。
各地のJA〇〇は、東京のトップ組織が決めた運営方針や商品に従うほかありません。

JAのこの構造が諸悪の根源となっているのです。

・私の勤務していたJA〇〇(JA組織の最下層)の実態
JAグループというネームバリューで入組してしまった私は、勤務していく中で徐々にその現実に気付かされていきます。

【新規採用職員時代】
私の県では、都道府県単位の組織と各地のJA〇〇の新規採用職員が一同に研修を受ける機会がありました。
同じJAグループ職員なのだからとみんな一体感を持って研修を受けていましたが、研修最後の確認テストの時にある現実を知らされました。

「都道府県単位の組織の新規採用職員は必ずJA〇〇の職員達より高得点をとること。なぜなら各地のJAを指導する立場だから負けることがあってはならない。」

社会人になりたての私にとっては衝撃でした。
やはりどうやっても絶対的な階級が決まっていて、私の勤務するJA〇〇は下部組織なんだと思い知らされたのです。

【JA〇〇での勤務時代】
実際にJA〇〇で仕事をし始めると、さらにJAという組織のひどさを実感することになります。
各支店で扱っているJAバンク・JA共済などの金融商品や、フルーツジュースや家電といった商品は、各地のJA〇〇の商品であって、そうではないということでした。
簡単に言えば、トップ組織や都道府県組織の商品を委託販売しているにすぎなかったのです。
コンビニと同じように、本部の名前を借りてフランチャイズ経営しているのと似ています。

金融商品・共済商品を例に説明します。
JAマイカーローンやJAこども共済といった商品はCMでもおなじみかと思います。
これらは、トップ組織である農林中金やJA共済連が商品開発したもので、彼らが売り上げ目標を決めるのです。
それを都道府県単位の組織に振り分け、都道府県単位の組織は各地のJA〇〇の目標額を振り分けます。

JA共済連 ➡ 都道府県のJA共済連 ➡ 各地のJA〇〇

こんな感じでトップダウンの有無を言わさぬ「目標」を与えられます。
もちろん、目標とは名ばかりの「ノルマ」です。
最下層のJA〇〇は上から押し付けられた目標を必死にクリアしなければなりません。
適当に対応すればいいんじゃないの?と思われますが、目標を達成しなければ補助やその他のサービスに制約がかかり経営に大きな支障がでます。

上層部の組織は下層部の組織に対して、JAという看板と圧倒的な資金力とマンパワーで作られた商品を売る権利を与える代わりに、それを代わりに売ってこいという感じです。
しかも目標値は必達で、クリアすればご褒美が、できなければペナルティという飴とムチを使い分けています。

しかし、このような体制になってしまっては組織が組織のためだけに頑張るようになっていきます。
JA(農業協同組合)は農家などの組合員さんのためにある組織だったはずです。
このようなピラミッド構造によるノルマ管理体制では組合員さんの利益より組織がノルマを消化することだけに集中してしまいます。

実際に、現状の各地のJA〇〇は職員に厳しいノルマを課し、クリアできなければ自爆するという状況です。
職員も自爆したくないため、組合員さんの利益になるとは言えない商品でもお願いしたりして無理に契約してもらうことが日常茶飯事です。
夜遅くまで何十件もお宅訪問して営業したり、知人や親族に頭を下げて1件でも多くの契約を取ってくる。
できなければ上司から厳しい指導があり、人事査定と社内での立場を失います。
そうです、これがJAで有名な「ノルマと自爆」です。

JAはピラミッド構造になっていることで、組織間に上下関係ができてしまい、それによってノルマや自爆が発生するブラック企業体質となってしまったのです。
巨大な組織だから潰れる心配もないし大丈夫でしょ!と思って就職してしまうと理想と現実に悩まされることになります。
私自身がそうでしたから、胸を張って(?)言えます。
「企業選びはネームバリューだけで決めてはいけない」ということの大変参考になる事例ではないかと思っています(笑)

【JA〇〇内部の組織体制】

各地にあるJA〇〇は、先ほども解説した通りJA組織の最下層に位置します。
そして、それぞれが完全に独立しているのでJAという看板を背負ってはいますが実態は中小企業と変わりのない規模です。

この小さな組織でもブラック体質はしっかりあります(笑)
まずは各地のJAの組合長を決める方法です。
各地のJAの組合長は「選挙」で決まります。
管轄地域内に数十名の理事(組合員)が存在し、その理事たちの投票によって組合長候補者を選びます。

そこでは各JA組織の改革や、組合員の生活向上は二の次です。
各地の理事たちの利権と派閥争いによって決まるため、組合長が変わったからといって組合員や職員にとってプラスになることはほとんどありません。
稀に凄腕の組合長が現れて改革をしてくれますが、そういった方は短命です。
ほとんどの場合は、特に大きな改革をすることもなく前例踏襲で変わりなく続きます。

つまり、農協のノルマと自爆の考え方って昭和時代からほとんど変わりないんです。
令和になっているのに昭和時代の経営方針で、ノルマも景気の良かった頃の考え方のまま。
だからノルマが達成できなかった場合でも「もっと訪問して頭を下げてこい!」と繰り返すだけです。
まさにブラック企業体質ですよね。

・就職先選びはよく考えよう
JA組織内部の体制の面から「なぜJAはブラックなのか」を見てみました。
就職する際に、ネームバリューや世間での印象だけで選んではいけないということを実体験をもとにご紹介させていただきました。

就職活動をされている方は、その企業の外側だけでなくできる限り内部の情報を集めて判断することをオススメします。
ちゃんと調べずに軽い気持ちで就職してしまった私からのアドバイスです。
第二第三の私のような人が生まれないことを遠くから祈っています・・・

(ご依頼分2つ目)
タイトル:JA内の人間関係

社会人として組織で仕事をしていく上で人間関係は非常に重要ですよね。
仕事が多少キツくても人間関係さえ良ければ乗り切れることがあります。
ただ、職場の人間関係って実際にそこに配属されない限り分からないということもあり予測しづらい面があるんです。

私は過去にJAに勤務していました。
しかし、JAのノルマ&自爆の厳しさと人間関係の複雑さ故に転職しました。
どのような人間関係の複雑さかというと「村社会」の縮図でした。

JAという全国的にも有名で大きな組織でしたが、各地のJAはその地域の人たちが就職しているのが現状です。
JAのほとんどは農村部にあり、都市部にはあまりありません。
そして各地のJA職員の大半は農家やその親戚です。
そんな人たちが集まって働いている組織ですから、ザ・村社会ということは何となくお分かりいただけるかなと思います。

私がJAを退職した理由の一つ「人間関係の複雑さ」について実体験をもとにご紹介したいと思います。
JAがなぜブラック企業と言われるのか、その理由がよくお分かりになるかと思います。
JAで特筆すべき厄介な人間関係は大まかに分けると6つあり、どんな状況なのか1つずつ解説していきます。

・役員は田舎の権力者だから逆らえない
JAの役員は職員が実力でのし上がった人ではありません。
地元の有力者達が選ばれるシステムです。
その選ばれ方も地域のパワーバランスや利権が絡み合って決まるのでどういった方々が選出されるかお察しいただけるかと思います。

都会にお住いの方はご存知ないかもしれませんが、田舎では地元の有力者の力は想像以上です。
その人たちに嫌われると仕事がしづらいだけでなく、普段の生活や近所付き合いもギクシャクします。
まさに村八分状態になってしまい、大変住みづらくなります。

そんな現実があるので、JAの役員たちには無駄に逆らわず穏便に過ごすのが最善策となります。
しかし、役員に反対意見を出したり注意する人が誰もいないためJAの運営が間違った方向に進んでもみんな見て見ぬふりをするしかないのです。
「こんな事業を始めても絶対失敗するだろ・・・」と誰の目から見ても明らかな事業計画でさえ、職員は誰も反対意見を出さず役員たちの偏った考え方のまま突き進むなんてことは当たり前のようにあります。

他の会社でも社員の意見が通りにくいことはあると思いますが、JAでは職員の意見はさらに通りにくいのです。
無理に職員個人の意思を通そうものなら確実に孤立します。

・コネだらけでとんでもない低能がゴロゴロいる
JAは昔ながらの組織ですので、コネで就職する人がたくさんいます。
最近でもコネ就職がそこそこいるのですから、昔はどんなにコネで入った人が多かったのやら・・・

私がJAで勤務していた時に新規採用職員が何人か入ってきました。
その中の何人かはとんでもない能力の持ち主でした。

・辞める際に人事課で暴言を叫びまくって出ていく
・3か月間で社用車を2回も廃車にしてしまう
・お金の計算を何回やっても合わせられない
・お客さんに返すべき書類を渡していない
・入組して2週間でバックレる

私より若い職員がこの有様です。
どうやって採用されたんだと思いましたが、色々な人から噂を聞くと結局「コネ」で入ったとのこと。
実家が大きな農家でしたので、JAの役員と何らかの話し合いがあったのでしょうね。

もちろん若い職員だけではありません。
むしろ50代以上の職員が最もヤバかった印象があります。
私が聞いた話では、ある職員が若い頃不良で就職先も無かったので親がJAにコネで入組させたんです。
そして、本人は入組式の前日に「明日から農協で働け」と言われたなんてエピソードもあるくらいです(実話)。

実力もなくコネで就職した人があまりにも多いので、業務に結構な支障が発生します。
例えば金融や共済で法律が変わり内部でも対応しなければならない時など、彼らは仕事を簡単に放棄します。
「全然理解できない。できる人にやらせたらいいんだ。ワシの若い頃はもっと~」
こんな感じです。
結局、頑張っている職員や優秀な職員に面倒事を丸投げして、自分たちはタバコを吸いながら談笑しています(笑)

・他人への関心が強すぎる
田舎特有の「他人への関心の強さ」は、JAでは特に強かったと思います。
職員の噂話はもちろん、休日にどこに行っていたかまで他人の行動をよく見てくれています(笑)

私が彼氏と休日に買い物へ行ったときのことでした。
すると休み明けに「この前〇〇に行ってたよね? 一緒にいたのは彼氏?」とよく聞かれたものです・・・
なぜなら知っているかというと、皆さん知り合いや職員の車種と車のナンバーはほとんど覚えているからです。
田舎という狭いコミュニティですから、車がすれ違った時などに発見されるんです。

また、近所の人や知り合いが何をしているか、どこで働いているか等、他人への関心が強すぎます。
監視社会のような有り様で、何かをすればどこかしらのルートを通じて噂が広まります。

都会に住み慣れた人にとってはかなりキツイと思います。
軟禁状態と変わらない社会がお待ちしていますよ。

・同調圧力が半端ない
もちろん、村社会特有の同調圧力も凄まじいです。

農協には全職員にノルマがあり、達成できなければ自ら進んで自爆しなければなりません。
ノルマが達成できない場合、上司は「みんなも頑張っているのに何をしているんだ!」とか「みんなしんどい思いをしているのに君だけ楽をするとは何事か!」と、みんなと合わせることが正義という論調で何の生産性もない指導をしてくれます。

また、他の一般職員も誰かが楽をしようとしたりすると非難したり距離を取ろうとします。
普通、自爆なんて馬鹿げた文化は職員みんなで反対して撲滅すべきことだし、職員全員自爆なんて嫌と思っています。
しかし不思議なことがJAでは起きています。
嫌なはずの自爆なのに、自爆を拒否する職員を猛バッシングします。
何故かと言いますと、みんなと違う行動をしているからなんです。
「たしかに自爆はキツイけど、仕方ないんだ。俺は我慢して自爆しているのにアイツは何故自爆から逃げようとしている?そんなことは許さない!」
こんな考えをする文化がJAでは脈々と受け継がれて、令和になっても衰えていません。

JAでは、みんなで工夫しながら前へ進んで楽になろうなどという考えは許されません。
今までと同じことが重要視され、コミュニティ内では歩調を合わせることが絶対なのです。

・いつまでも古き良き時代を引きずっている
JAは昭和時代に最盛期を迎えた組織です。
昭和時代、田舎ではJAがなければ経済活動が厳しい地域がたくさんありました。
そのため、当時JAの営業利益は最高潮に達しました。

その頃を体験した職員は現在50代以上。
それなりの役職に就いている人もたくさんいます。
そういった方々が私たちの上司となり、業務の面やノルマの面で指導してくるのです。
ほとんどの方が「ワシが若い頃はこんな苦労をしたんだ。今の若いやつは~」と言います。
当時と今の環境が全く違うという不都合な事実は無視して、輝かしい部分だけを強調してマウントをとってきます。

ノルマの数値設定にもこの思考パターンがしっかり反映されています(笑)
職員としては笑いごとではないのですが、30年以上前の昭和時代からノルマの目標数値はあまり変わっていません。
明らかに経済状況は悪化してきて、少子高齢化やネット銀行・ネット保険の台頭など状況が大きく変化しているにも関わらずです。
このノルマの目標数値を決めている役員たちは「あの頃」を未だに思い描いているのでしょう。
そして上記の役員の所でも触れましたが、役員に逆らう職員はいませんのでいつまでもいつまでも「あの頃」で時間がストップしたままです。

だからこそJAは時代についていけず、経営状態が悪化してきて支店の統廃合や規模縮小を余儀なくされているのです。

・よそ者を受け付けない排他的な考えが強い
これも田舎の村社会特有の考え方です。
職員もJA周辺の地域出身者が大半ですので、排他的な考えは色濃く出ます。
ちなみに職員だけでなく、お客さんも結構排他的な考えが強いです。

私が以前に勤務していた支店は管轄エリアの半分が田園地帯、残り半分が山間部というそこそこ田舎の地域でした。
窓口にくるお客さんも8割以上が高齢者で、窓口に来てまず問いかけてくるのが「〇〇ちゃん(職員の名前)はいるか?」でした。
〇〇ちゃん(職員)はそこの地域出身者で、長らくそこの支店で勤務していた方でした。
しかし、その時〇〇ちゃんは不在だったため私が対応しますと言ったのですが断られたのです。
理由は「〇〇ちゃんはこの地域出身だから信頼できる」ということでした。

また、職員間でも能力の有無よりも出身地域で配属が決まったり、評価し合う傾向がありました。
たしかに地元のことはよく知っているし、お客さん側からすると顔なじみという面で信頼感もあるので良い点でもあります。
逆に言えば、地元出身者以外は入り込む余地がないのです。
職員間でも対顧客でも出身地域ばかり見て小さなコミュニティを作ってしまうので、新しい顧客や考えを受け入れられない特徴がありました。

こういった排他的な考えのため、外部から能力のある革新的な職員がやってきても受け付けず、若年層世代の新規顧客を獲得しようとしても余所者扱いしてしまい他の金融機関などに逃げられるのです。

JAにはこのような濃い人間関係が存在しています。
都市部のJAではここまで酷くはないかもしれませんが、少し地方のJAに行けばどこも同じような人間関係だと聞いています。
就職されて、このような人間関係に疲れ切って辞めていった職員は過去にもたくさんいました。

JAへの就職を考えていらっしゃる方は、地方のJAにはこういった現状もあるということを念頭にしていただければと思います。