【まえがき】
めまぐるしいスピードで変化し続けるこのご時世、私たちの生活は随分と便利になりました。ですが便利なものは、時に大きなストレスを抱える原因となることがあります。便利な言葉は簡単に人を傷つけ、便利なインターネットでは誹謗中傷の書き込みが溢れ返り、人間不信に陥ることもあります。
便利なスマホが普及し、仕事は楽になるどころか食事中も通勤中も寝る寸前まで片手にスマホ。休日にもスマホが鳴る取引先からの電話やメール。クレームだったら余計にストレスが重くのしかかりストレス倍増。休日どころか一瞬も心を休めることができません。便利な社会とストレス社会はイコールで繋がっているように感じます。
ストレスが溜まりすぎて「生きることに疲れた」「もう消えてしまいたい」と思ってしまうこともあります。アイドルは卒業宣言をすれば卒業ができるのに、なぜ私の人生は卒業宣言をすることすら許されないのだろうと、そんなおバカなことを考えたりもしました。今後も生き続ける限りストレスは運命共同体です。
人それぞれいろいろなストレス解消法があるかと思います。それらは表面的・一時的なものであることに理解はしているものの、随分と救われていることも事実です。ストレスの発散や解消をうまくコントロールできればそのストレスも生きる糧となり「便利な社会」で生きやすくなるのではないかと思います。
【ストレスの原因と状況】
私の場合は仕事が原因でした。人間関係は良くも悪くもなく他人に無関心といった感じで、私にとってはある意味居心地は良かったと思います。一時期、とにかく大変で残業三昧の日々が続いていました。毎朝5時に会社に到着し帰宅は余裕で24時を超え休日労働も当たり前でした。
仕事もひと段落つき激務の日々から解放されて「ゆっくりできる~」と力が抜けたとき、風邪をひいているわけでもないのに40度の熱が出たのです。突発的に出た高熱は翌朝には下がったものの体は起き上がれませんでした。少しゆっくりしなさいってことだろうと、その日はとにかくゴロゴロして過ごしました。
また次の日の朝です。起き上がれないのです。またまた次の日の朝です。起き上がれないのです。ここでようやく「クタクタに疲れているよ~」とういう体の叫び、「ボキボキに折れているよ~」という心の悲痛な叫びに気づいたのです。こんなクタクタでボロボロな姿で病院にいけば、そりゃ鬱病ですと言われます。
つい最近まであんなにガムシャラに働けていたのに...そう考えるとまた落ち込みます。考えれば考えるほど不安と焦りが募りさらに落ち込みます。この病気は治るのだろうか、明日は仕事に行けるだろうかという考えだけが頭の中をグルグル回り負のスパイラルにまんまとひっかかってしまっていました。
【効果的だった解消法① 献血】
不安になるばかりで何かをやってみようなんて気も起きませんでした。ただ毎朝起きることを頑張りました。今まで普通にやっていたことをこの時期は努力しなければできなかったのです。そこで突然何気なしに頭をよぎりました。「今この体の中に通っている血をきれいにしたい!」と。
そうです。献血に行きました。400mlの血液を採ってもらいました。(ちなみに体重が50㎏以上でないと400mlの献血はできません。体重がバレてしまいましたね(汗))赤い血が流れるのを見て「生きているんだな~」と改めて実感し、また献血が終わったら驚くほどに頭がスッキリと冴えていたことを今でも鮮明に覚えています。
私はもう献血にハマってしまいました。いえ、ハマりたかったのかもしれません。何か1つのことに...400mlの献血を行うと約4か月間の間隔をあけなければならないので、その間は成分献血に行っていました。それからというもの大きなストレスがなくても定期的に献血に行き「生きているんだな~」という実感を堪能し、いつの間にか私にとって献血はストレス発散法ではなく解消法となりました。
そして楽しみがもう1つ。「献血に行った日はこってりラーメンを食べても良い日」というまぁ身勝手なMyルール。年齢のせいか痩せにくくなったことを自覚していたので、大好きなラーメンを普段は食べないように封印していたのです。献血に行ったときにはいつも一蘭に行き、替え玉までしてお腹も心も満足。ストレスの「ス」すら忘れていました。
私が利用していた献血ルームはちょっとだけお高めなお菓子がテーブルにたくさん置いてあって食べ放題、ゼリーやプリンもありました。ジュースはドリンクバー形式で飲み放題、献血後には洗剤などのお土産も頂けるありがたいことばかり。自分のために献血したのになんだか恐縮してしまいます。
人を救うための献血。私が献血に通う動機はそんな美しいものではありません。むしろ私が献血をすることで救われました。生きていることを改めて実感でき頭はスッキリ、豪華なサービスを受けることもでき、ラーメンルールからも解放される。いいことばかりな上、結果として人を助けることに繋がる。我ながら素晴らしいストレス解消法をみつけました。
【効果的だった解消法② 兵頭大樹のおしゃべり大好き】
「笑う門には福きたる」とか「楽しいから笑うんじゃない!笑うから楽しいんだ」なんて聞いたことありますよね。心が乱れていないときに聞けば納得できますが、「生きることに疲れた」「もう消えてしまいたい」と考えてしまうほどストレスを抱えているときに、そんなこと言われても心に響きません。
鏡に向かっておもしろくもないのにニコッと不気味に微笑んでみたり、ワッハッハ~と大声で発してみたものの虚しくなるだけでした。ひねくれているんでしょうか、わたしはやっぱり「楽しいから笑う、おもしろいから笑う」ことしか受け入れられない性格の様です。ですがたくさん笑ったときはストレスが軽減することもわかってはいました。
心がそろそろやばいな~と感じたら「おもしろいから笑う」ことを求め、私はDVDレンタルショップに行きます。お笑いコーナーへ一直線。大好きなお笑い芸人さんのDVD「兵頭大樹のおしゃべり大好き」を数本レンタルします。兵頭大樹さんは日常の出来事をとてもおもしろくネタにしていて、しかも誰のことも不幸にしない心温かいネタで笑わせてくれます。
何度も繰り返し観ていますからネタも知っていますし、大爆笑のタイミングもわかりきっているのですが何度見ても同じところで、それはもう涙を流しながら手を叩きながらたくさん笑わせてもらいます。1本見終わるとあら不思議。ストレスなんてどこかへ吹っ飛んでしまいます。余韻だけでまだまだ笑えそうです。
笑わずに観ようというMyルールで観てみましたが、笑いを堪えることが大変で肩を激しく上下に揺らし、仕舞には我慢ならず噴き出してしまったことも多々あります。人それぞれお好きなお笑い芸人さんがいらっしゃるかと思いますが、一度この「兵頭大樹のおしゃべり大好き」を観て大いに笑って頂きたいです。
「笑うから楽しい」と思えなくてもいいと思います。「笑うための方法を見つける」ことが大切なのではないでしょうか。たくさん笑うとストレスが軽減することを私は実証済ですから、これからも笑うための方法を探していきたいと思っています。常に笑うための方法を探すアンテナを張っていると、重症なストレスを抱える前に解消できると思っています。
【最後に】
これからも世の中はもっと便利になります。またストレス社会も続きます。「生きることに疲れた」「もう消えてしまいたい」という考えが少しでも頭をよぎったら、頑張らないことに頑張ってみてはいかがでしょうか。仕事が大変なのもよ~くわかります。ですが頑張らないことに頑張る時間は決して無駄ではありません。
頭と心がブッ壊れた状態で良い仕事はできるでしょうか。ストレスで凝り固まった仕事に良い結果は出せるでしょうか。ミスや失敗に繋がりませんか。頑張らないことに頑張る時間よりもミスや失敗を修正する時間の方がもったいなくないですか。どうかもう少し自分を大切にしてみてはいかがでしょうか。