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ブラック企業 体験談

【仕事辞めたいエピソード19】広告業界のブラック企業で次々と破局していく仲間たち!そして私も毎日涙が溢れ起き上がれない体に

ブラックな企業ってどんな企業?

はじめまして。東京在住、39歳(女)のサリコと申します。
ブラック企業って聞いたことある方が多いと思いますが、どんな企業か具体的なイメージってありますか?
ブラック=黒ですから、黒い企業ってことですよね…。うわぁ、悪そうですね。もう名前からしてヤバそうな雰囲気がプンプンしますが、ブラック企業を一言で言うなれば「劣悪な労働環境の会社」のことです。ありえない長時間労働や、サービス残業、パワハラ、セクハラが普通に存在する企業のことです。ホワイトな企業で働いている方にとってはにわかに信じられないような実情が本当にあるのです。
実はわたくし、突然ですが、ブラック企業で働いていたことがあります。
えぇ、あるんです黒企業勤務歴が。
その時の話を聞いてください(涙)。

恐怖…みんな、どんどん別れていく…

入社当時、彼氏彼女がいた人たちも多くいましたが、私も含めて(同じグループの)みんな3か月から半年ほどで破局することに。
なんで破局するのかって?
それはもう、生活の全部や心の余裕を仕事にがっつり持っていかれるからです。
終電は当たり前。なんなら終電逃してタクシー帰りor事務所にお泊り当たり前。当日中に帰宅出来れば早い帰宅。休日出社も当たり前。
こうなると、プライベートの時間なんて1ミリもありません。睡眠時間が絶対的に足りないし、こんな状況でデートやら恋人との電話なんて出来ないし、しようとも思えない。
お願い、ちょっとでも時間があったら寝かせてーという状態です。
「私(俺)と仕事、どっちが大事なの?」と聞かれる面倒臭さが分かってしまった23の夜…。セツナイ…。「もーそんなこと言うなら別れよう」ってなるんだよね。
だって、すねている恋人の機嫌をとるパワーも、会う時間も、その時間を捻出するパワーも残っていないから。残量0。カラッカラです。
そうして私も含めみんな同じような理由で、恋人とお別れしていくこととなりました…。
そういえば「彼氏とどうしても別れたくない!でも、この会社(部署)にいたら別れる羽目になる」と言って退職していった賢者もいました。
あぁ、あの彼女は今頃何をしているのかな…きっと幸せに暮らしている事でしょう…(遠い目)。

そして、どんどん病んでいく…

私がいたグループのメンバーは当時10名ほどいましたが、徐々に徐々にみんな病んでいきました。私が退職する頃には2名を除いては、何らかの不調が出てきていて、それを理由に会社を去る人もいました。あの2人は強かったなー。鋼のメンタル、尊敬しちゃいます。
一番多かったのがうつ病で、ストレス性の過呼吸に悩まされている人もいました。どちらも元々の持病ではなく、仕事が原因で発症したものです。
一番多いのがうつ病って…、今思うと本当にやばい。さらに、うつ病になって眠れないからという理由で、アルコール依存症になってしまった人もいたりして、本当に今思うとありえない状況でした。
かく言う私もストレス性の難聴になり、自律神経失調症にもなりました。
朝急に耳が聞こえなくなったのには驚きましたが、片耳だけなので「不便だけど大丈夫」だと思って普通に仕事をしていた自分もやはりちょっとおかしかったのだろうな、と今思うと分かります。

どんな理由でも遅刻はダメ、絶対!

私が当時恐れていたもの。それは「電車遅延」。
当時の上司は、いかなる理由であっても遅刻は絶対に許さない!という方でした。電車遅延もダメでした。でも、電車遅延って突然やってくるもので、自分ではアンコトローラボーな事象です。でも、ダメなんです。遅刻は絶対に許されない。
もし、「遅刻します」なんて電話したらどうなるか分かりますか?
ビックリしますよ?怒鳴られてガチャ切りです。私、電話越しに怒鳴られてガチャ切りされるとか経験したことがなったので、これは本当にショッキングな出来事でした。理由が寝坊ならまだ分かる、でも、電車遅延なのに…。最初、意味が分からずポカンとしましたね。
だから、電車遅延で遅刻しないように毎朝とても早い時間に出社していました。帰宅も遅くて朝も早い。始業時間ギリギリだったら駅から会社までタクシーを使うこともありました。夜も朝もタクシーって、そんな高給取りじゃないのに…。
遅刻して怒鳴られる恐怖心 > お金 という構図。情けないけれど本当に恐怖でした。
今も、電車が遅れているアナウンスを聞いて目を血走らせてイライラしている方を見ると(きっと違う理由だろうけど)「わかる、わかるよ」と肩をそっと叩きたくなります。

体調不良の当日欠勤もダメ、絶対!!

人間ですから生きていれば風邪をひいたりお腹を壊したりもします。でも、遅刻絶対NG上司は当日欠勤絶対NG上司でもありました。
上司曰く、朝起きて急に会社に行けなくなるほど体調が悪くなることなんてあり得ないとのこと。要するに具合が悪くて休むにも前日申請が必要なのです。
前日体調がやばい時には、とりあえず上司に「体調が悪くて明日休むかも」という予告メールをしておき、翌朝再度「やっぱり行けます」or「すみません、休みます」というメールを送ります。こうしておけば怒鳴られはしません、怒鳴られは。
でも、上司がその日に予定している内容に私が必要だった場合にはちょっとだけでも来いというお達しがあって、結局無理やり出社して症状が見事に悪化、その足で病院へ行って点滴を打ってもらったこともあります。
「本当は入院してもらっても良いくらいなのだけど」と医師に言われた時、そんなこと(入院)になったら、仕事を休まないといけないではないか!と思って「大丈夫です」と言ったあの頃の私。別の意味で全然大丈夫じゃなかったですね…(汗)。
とにかく上司のルールに合わないことをしたり、プランを変更させると猛烈な怒りを買うのです。

遅刻出来ない、休めない、そして辞める事も出来ない

これは同僚の話です。
ある日彼女から、昨日気づいたら、家の中でずっと電気も付けないで膝を抱えていた、と涙ながらに打ち明けられました。
「もう辞めたい」という彼女。「うんうん、辞めたほうが良い。」私はそう答えました。
普通の会社だったら本人が辞めたいと言ったら辞められるはず。それも働く人の権利だから。でも、相手はなんといっても一筋縄ではいかないクセが強すぎる上司です。
しかも、私は分かっていました。上司は彼女をとても気に入っていて、だからこそすんなりと辞めさせてはくれないだろうと。
嫌な予感は当たり、最悪の雰囲気の中何度も何度も話し合いを重ね、そしてやっと上司が言いました。「分かった、辞めさせてやる。でも、これが条件だ!」どーん!!!
…………え?えー?辞めるのに条件ってなに?
いや、でもこれが上司クオリティ。ある意味納得する流れ。
しかもこの提示された条件がまたなかなか達成が難しい条件でした。
彼女はメンタルもギリギリだっただろうし、体力的にもボロボロで、本当に毎日就業後に病院で点滴を打ってもらってやり過ごす日々。でも、彼女は辞めたい一心で頑張った。
そしてやり遂げて、見事退職を勝ち取ったのです。
はー、めでたしめでたし。って、そうじゃないですよね。

上司もどんどん壊れていった

この時の上司はハチャメチャでした。
まるで自分の思い通りにならなかったら癇癪を起す子供のようでしたし、お気に入りのメンバーが辞めていくのを止める姿は、お気に入りのおもちゃを取られそうになって、ムキになってそのおもちゃを離さずにいる子供のようでした。
もともと彼(上司)はとても出来る営業マンでした。その腕を買われて若くして管理職になった方で、仕事については本当に尊敬できる部分が多かったのです。
でも、もともとメンタルが弱かったそうで、かなり不安定で、ギリギリのところで戦っているようにも見えました。
営業のノルマ、管理職としての立場や仕事に毎日毎日追われてアップアップだったのだと思います。
そして、私たちは彼にとって初めての部下であり、それゆえに余計に固執していたように思います。自分の思い通りにしたい、でも出来ない苛立ち。
それが露わになったのは、上司が地方転勤を命じられてからでした。

そして事件が起きた

地方転勤で私たちの元を離れることになった上司ですが、もうこの頃から少し様子がおかしかったのを覚えています。
何かにつけて古巣の私たちの部署へやってくるのです。懐かしくて顔を見に来たという頻度ではなく、本当にしょっちゅう来ては、みんなの仕事に色々と口出しをしていくのです。
既に新しい上司がいるにも拘わらず、まるで今でも自分の部下のように指示をしてくるので、みんなも困惑していた頃、事件が起きたのです。

やっと固まった辞める決意

がしゃーん!!という音に驚くと、営業メンバーの一人が元上司に胸倉をつかまれていました。これはただ事ではないと、現上司や他のメンバーが止めに入り、暴力沙汰にはなりませんでしたが、もう正直こんな環境で仕事は無理だと気づくには十分でした。
私も退職を決め、不祥事を起こした上司は私たちの部署へは立ち入り禁止になり、後に退職されたそうです。
こうして私はブラック企業を退職することを決意しました。

看護婦さんの一言で涙がこぼれた日

さて、退職を決めた私ですが、それまで多くの同僚が身体を壊していったように、めまいや急な動悸など様々な不調に悩まされていました。
病院へ行き、一通り診てもらいました。
「一見したころ特に問題はないのですが、もう少し大きな病院への紹介状を書きましょう。」とお医者さんが言って下さったので、紹介状が出来上がるのを待っている時のことです。先ほどお医者さんのそばで診察をサポートしてくれていたベテラン看護師さんがすすすっと近づいてきて、座っていた私の目線に合うようにしゃがみこんでから私の目を見て優しい声で言いました。
「大丈夫?私には心が疲れているように見えるのだけれど。」
涙がばーーーっと出てきました。止められなかった。そこでやっと、精神的にも限界だったのだと、ようやく気付いたのです。

なぜ気づかないのか?

客観的にみたら色々気づくのが遅すぎるなーと思うのですが、当時は本当にきっかけがなかったら気づかなかったのです。
体調が悪くなる人が多すぎること、激務であること、そして上司がかなり過激なこと、「これはちょっとおかしいのでは?」と思っていたのになかなか辞めようと思えなかったのは何故なのか?
例えは悪いかもしれませんが、私たちがいた部署は閉ざされた家庭のような場所でした。上司は親の立場でしたから、彼の言うことは絶対だったし、仕事が終わらないのは自分の能力や努力不足のせい、体調が悪いのは管理不足だと言われました。
「全て自分の責任でしょう?」と言われ続け、何か主張をしようものなら「言い訳をするな」と一蹴され怒鳴られるのでみんな主張しなくなりました。
家庭の中の出来事は外に漏れ出ることは少なく、子供もそれが当たり前に思ってしまって疑問には思わない、むしろそうなった原因が自分にあると思い込んでしまう、という、まるで虐待のような構図だったのです。
そしてそのことに気付くのは、転職して違う企業に入った時でした。

普通の会社って…素晴らしい(涙)!

その後の転職先はやはり激務と噂の高い企業でしたが、正直前職のブラックっぷりに比べたら天国でした。まず電車遅延で怒られないし、体調不良で休めるし、なんなら有休申請も出来ます!仕事量は多かったけれど、上司は怖くなかったし、むしろとても部下思いの方ばかりで理不尽な怒られ方をしたことはなかったのも驚きのひとつでした。
結局、ブラックかブラックじゃないかの線引きって、どれだけ残業があるかというのも大きなポイントではありますし、その企業の体質や社風が影響してくる部分ももちろんありますが、結局は直属の上司に由るのではないでしょうか。
私は幸いなことに、本当に自分が壊れてしまう前に脱出することが出来ました。
もし今もブラック企業にいる人には本当に心や体を壊す前に全力で逃げてほしい!一度壊れた心や体はそう簡単には全快しません。
そして、周りの人でブラック企業のアリの巣にはまっている人がいたら、以前の私のように自分では気づいていない可能性が高いので、是非勇気をもって引っ張り上げてあげてほしい、そう願います。