人間、生きていれば誰でも悩みを抱えるものです。その悩みが家族のことなのか、仕事のことなのか、恋愛のことなのか、それは人によってさまざまです。また、悩みというものはその時によっても変わってきます。学生の頃は恋愛に関する悩みが多かった人でも社会人になれば仕事の悩みが増えてくるでしょう。
そんな中で私は仕事の悩みを抱えています。どのような悩みかというと収入と雇用の維持に関する悩みです。現代では終身雇用は完全に崩壊しており、大企業でも倒産する時代です。自分の会社がいつまで存続するのかは一社員である私にはわかりません。また、そんな状況にありながら満足のいく収入を得られているとは言い難いので、不安はより一層強くなってきます。
そんな時に私はストレス発散法として学生時代の友人や会社の同僚と酒を酌み交わすという方法をとりました。アルコールの効果で緊張は解けていき、会社の不満を大いに語り合いました。飲んでいる時は気分も良く、体の中を支配していたストレスが愚痴と一緒に出て行くような気分になりました。フレッシュな気持ちになりそれから3日程度はその気持ちが続くのですが、やはりまた会社の不満が溜まってきてしまいます。その度に酒場へと足を運ぶようになっていました。
しかも、飲み代がかさんでいき、収入のほとんどを飲み代で使ってしまう状況でした。ストレスを発散していたつもりでしたが、逆にストレスが溜まっていきました。嫌な仕事を我慢して得たいくばくかの収入を、ストレスを発散する目的で使ってしまう。これではいつまで経っても私の悩みは解消されることなく、会社への依存度を上げてしまう行為であると気付いたのです。アルコールは一時的には不安や不満を解消してくれることがありますが、悩みを根本から解決してくれるものではないのです。このことに気付いた私は次なるストレス解決方法を考えます。
次に私が考えたのが、仕事の悩みがどのようにしたら解決するのかということです。自分がどのようになりたいのか、今の仕事の何が問題なのかなどをじっくりと考えていきました。仕事をしている時も通勤途中の電車の中でも家に一人でリラックスしている時も自問自答を続けました。そうすると徐々に答えは見えてきました。
私が今抱えている問題の1つは雇用不安だったのです。もう1つは現在の収入への不満です。こんな時代の中、いつまで今の収入を維持できるのか、こんな状態で結婚して子供を育てることができるのだろうかということを不安に思っていたのです。また、会社に在籍している年配の社員からは「俺も若い時には給料が少なかった。しかし、我慢して続けてきたらこれだけ稼げるようになったぞ。」という話をされます。私たちが生きる時代は定年間近の方が生きてきた時代とは違っていてバブルもなければ、年功序列で収入が上がることもありません。そんな中、今の収入で耐えつつ昇給を期待するという生き方ではこの時代では生き残れないと考えました。
それでは、私はどのような行動をとればいいのか。それは簡単です。稼ぐ力をつけることです。会社からの収入に依存せずに自分のスキルで稼いでいくのです。そのようなスキルがついていけば会社からも一目を置かれるようになり、雇用不安が解消されていきます。万が一、会社が倒産してしまったり、解雇になってしまったりしてもスキルがあれば他の会社に移ることもできるし、個人として仕事を引き受けることも可能になります。それでは、どうやってそのスキルをつけていったらいいのでしょうか。これまで自問自答を続けてきた私は少し疲れてしまいました。脳の疲労感を感じており、いろいろと考え過ぎたせいか何も考えたくなくなってしまいました。
そんな時に、私は一旦考えるのをやめました。全く何も考えずに温泉に通う日々が続きました。温泉といっても有名な温泉街に行くわけではなく、家の近くにあるスーパー銭湯です。炭酸泉やサウナに入り心身の疲れを癒やしていったのです。この頃の私はスーパー銭湯に週に3回程度通っていました。一人で行くこともあれば、仕事の同僚や学生時代の友人と行くこともありました。温泉に浸かりながら、仕事や将来の話をしているうちに再び悩みを解決していこうという気持ちが蘇ってきたのです。そこから、私は再び自分の悩みについて真剣に考えていきました。
しかし、なかなか具体的な解決策が見つからない。いつも心の中にモヤモヤとした気持ちがありました。そんな時、街を歩いているとチラシを配っている人に遭遇しました。そのチラシを受け取りよく見てみると家の近くに新しくスポーツジムができており、新規入会キャンペーンで割引があるという内容でした。社会人になってからあまり運動をしていなかった私はこのスポーツジムに入会することを決めました。
運動をするのは、何年ぶりか思い出せないほど久しぶりだったので、軽い運動から始めていきました。簡単な運動でも運動不足だった私は汗だくになり、運動後は体に疲労感がありました。週に3日ほどのペースでスポーツジムに通うようになると徐々に運動の強度も上がっていきました。どんどんと動けるようになっていく自分に自信がついてきて、なんでもできるかのような気分になっていました。汗と一緒に心の中のモヤモヤを流れていくかのような感覚になりました。また、運動後はアドレナリンが出ているせいか、頭がスッキリして問題解決に向けたさまざまなアイデアが浮かんできました。運動後はそのアイデアを実践して行動に移していく。失敗することの方が多かったけれど、たまに成功がありました。この成功をきっかけに私は会社からの給与以外に収入を手に入れることができたのです。
これまでの私はネガティブで完璧主義な一面がありました。そのため、なにか失敗してしまうと落ち込んでしまうことが多かったのです。また、絶対に失敗したくないという思いから準備に時間をかけすぎてしまいなかなか行動に移せずにいました。しかし、スポーツジムに入会してからはポジティブな気持ちになることが多かったので、失敗に対する恐れが薄まっていたように感じます。そのため、私の悩みが解消に向かっているのは運動習慣ができたことというが大きいように感じています。
私がストレス解決方法として実践したのは4つです。酒を飲む、とことんまで考える、温泉に浸かる、運動をする、の4つです。まず、酒の飲むことに関しては一時的なストレス解決方法としてはありだと思います。交流も深まるし、悪いことばかりではありません。しかし、飲み過ぎてしまうとさらなる問題を発生させてしまう危険性もあるのです。適量で飲むように心がけましょう。
次に、とことんまで考えること。これは非常によい教訓になりました。これまでの人生ここまで自分について考えたことはなかったように思います。これによってこれまで知らなかった自分の特性や性格に気付くことができました。
次に温泉に浸かること。日本人は1000年以上前から温泉に浸かる習慣があります。戦国時代では武士の刀傷を癒すために湯治が行われています。そんな伝統のある温泉は現代の日本人の体も心も癒やしてくれるのです。行き詰まったら温泉に浸かってボーッとすることで新しい何かが見えてきます。気分転換方法としては有効な方法でしょう。
最後に運動です。現代人は運動不足の人が多いと言われています。運動不足は肥満になってしまうなど体の健康を損なってしまうことばかりにクローズアップされています。しかし、運動不足は心の健康も損なってしまうのです。運動をすることでアドレナリンやセロトニンなど神経伝達物質が増えていき、ストレス解消法にはもってこいです。運動する習慣がない方は駅まで歩く、エレベーターを使わず階段を使うなど軽い運動から始めていきましょう。
私を救った方法はこの4つですが、万人にこの方法が合っているとはいえません。ただ、この方法がヒントとなり少しでも気持ちに前向きになってくれたら幸いです。さまざまな方法を試して自分なりのストレス解消方法、気分転換方法を見つけていきましょう。