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ブラック企業 体験談

【会社辞めたいエピソード12】建設業界のカースト制度と現場での事故でのブラック体験を伝えたい!

私は、建設業界に従事する一社員だ。そしてその業界は、『ブラックと名高い』

もともと私は、海外での就職を希望していたが、ある会社と説明会で空間創造というものを知りそれに魅力を感じたためこの業界に入ったという経緯を持つ。

就職に伴い、建築業界としても酸いも甘いも知り尽くした人生の大先輩方から、泥臭い話を聞いてはいたが『ブラックの定義』を知らなかった。そして、その後身をもって

私が建築業界に所属して感じたことは、建築業界のカースト制度と努力とやる気で人が差別されること、そしていかに保身のために努力するかが重要だということだ。

上記3点について話したい。
まず最初にカースト制度についてだ。
これはあくまで私がゼネコンではなくメガベンチャーを目指す立場から見た考察に過ぎないが同じ業界業種の方なら少しは御理解いただけるかと思う。
そもそも、カースト制度とは本来ヒンドゥー教における身分制度のことであり、5つの階層に分かれている。
これを建築業界に当てはめた場合、4つの『バラモン=施主もしくはゼネコン(オーナー)』『クシャトリア=ゼネコン(オーナー)もしくは施主』『ヴァイシャ=施主より任命された施工業者(元請)』『シュードラ=下請け会社』となる。
これの何がブラックなのかというと、基本的には下の立場は上の立場に服従し、いかに非現実であっても従わざるを得ないケースがあるということだ。
許された一部の腕の良いもののみが例外となる。

私の所属する会社は上記カーストにおける、ヴァイシャである。
施主という上の立場のものの指示に従いつつも良い方向へ誘導し、良い現場を納めることが一番のミッションである。
しかしその中で、ゼネコン(オーナー)との度重なる打合せや協力会社との打合せや手配などが加わり、現場が大きくなればなるほどその労力は計り知れない。
実際元請という仕事は、中間管理職で疲弊がたまりやすく人気のない職業の一つだと思う。
それを複数案件抱えた際には現実逃避することもしばしばある。
ゼネコン(オーナー)は、予防線を張りつつモノを作り上げる超リアリストだ。
一方の施主は、いかにコストを抑えて自分たちが理想とするものを作り上げるのかを語るロマンチストといえるだろう。
この対峙する双方を取りまとめることが腕の見せ所であるといえるが、正直案件の規模が大きくなるにつれてその難易度は上がる。
一つのミスがもたらす責任が恐ろしくこちらも容易には発言できかねることが多い。
しかし、私たちが曖昧な指示を行うと職人はどのように対応すべきか分からず、異なるものが出来上がるリスクもある。
全てを把握し、完了させたときは達成感を味わえるかもしれないが、仕事辞めたいと思うこともあるのではないだろうか。また、会社の利益を追うためとはいえ大きい案件を受注するにつれて、より良い人材の確保が出来ていなければ一つのミスでチーム全体の負荷が増える。完璧を目指し、ミスがないようにするほど、時間が足らず残業につながる悪循環な環境を作り出しかねない。

私たちの立場は、お客様とゼネコン(オーナー)を選ぶことが出来ない分、個人や会社が変革しない限り解決しない悩みを抱える。
大きい案件や華々しい案件は勿論担当したい。しかし、それを行うということは自分を犠牲にすることにつながると想像してうこともあるのではないだろうか。

そして次に頑張れば報われる!という考え方についてである。
建築業界は残業が多い等ということもあるかもしれないが、比較的給与が良い方かと思う。
職人は、基本決められた一定の時間内で一人当たり15.000-が最低賃金程度で仕事行っている。(突貫などイレギュラーもあるかと思うが、、、)
しかしその中でも、私たちベンチャー企業の多くは成績次第で支払われる給料やボーナスの金額が変わる。予算に行かなければそれをもらうこともできないし、逆に100万以上もらっている者もいる。
そのボーナスを目当てで入社している者もいるため、社内ではよりプライベートを重要視したいものと稼ぎたいものとで乖離が起きる。
そしてそれにより、自分たちは稼いでいるのだというメンバーの主張が全体での意見を集めた際に通りやすいということが発覚した。
稼ぐメンバーは、会社に貢献している。勿論稼いでくれてありがとう!という感謝もあるが、実際その働き方を強要し休日に連絡してくること・その間での回答を求めてくるが、会社もそれを容認していた。それこそ、その会社がブラックであるという事実なのだ。
そして、そのような人にこそビッグプロジェクトを任せ、そうでないものには一般的な業務を与えるのだ。仕事に対するモチベーションが下がるうえ、結局会社は業務を改善しようと動いていても、そんな気はないのではないか、信用できないという考えに至ったのである。
やりたい仕事、面白そうな仕事をするためにはパフォーマンス性に優れた者の方が優遇されやすくなったのだ。やりたくてもやれないことは正直歯痒い。

そもそもではあるが、一つ述べるとすると私も元々は前者のバリバリ働くタイプだった。
3週間休みなしの出勤や終電生活、夜間工事などでのカプセルホテル生活を行ったことなんて日常茶飯事だった。デートの際に仕事の電話がかかり呼び出されることも、相手を3時間待たせたこともある。顔にもたくさんニキビが出来た。
しかし結局それが生んだものは、自分が向かう先が分からない寂しいという気持ちと体調の悪化だった。
約5年の営業職の中で、私は喘息を患い周囲に打つと疑われることが増えたし、人との電話を嫌うようになった。体の悲鳴が聞こえた。
辞めようとも思ったし、それを進言もした。私だけではなく全体の環境を見直すことも打診した。同じように悩む人がいて、辞めていく人が後を絶たなかったからである。

しかし、進言をしても結局会社だけ変わっても企業成績が悪化するだけだった。
お金のために、自分を身売りしているような気分になった。
それが建設業界の闇なのだと思った。

そして最後にこの業界に所属するものが身に着けている保身についてだ。
建築業界で仕事をするために懸念しなければならないことは、大きくは建設業・産業廃棄物処理法といった法律や実現場における労働災害だ。

わたしたちは、お客様と話す際は、施主の要望を伺いつつそれが本当に実現可能なのかを考えながら提案しなければいけない。施工についての知識がなければ、実現不可能な提案をしてしまう恐れがあり、それが後で実現できないというと大クレームになるということも実際にはあった。
施工会社や関連会社と話す際は、皆が皆施工と自分を守る手段を身に着けたプロ集団なので、一番緊張する。軽々しくできるという言葉は使ってはいけないし、分からないまま発言すると後々自分の首を絞めることになる。そして、何よりも自分が打合せをしている相手よりも知識や経験に乏しいことが分かり下に見られることになった暁には、分からないことをいいように面倒なことばかり押し付けられるのだ。
新築の現場をした際、私も実際上記体験をした。舐められてはいけないという考えから、議事録を書きながら分からないことを調べて、協力会社に同席してもらって虚勢を張り続けるしかなかった。
一方で同席した上司が、私とは真逆の前述したとおりの動きを見せてくれたおかげで、余計な作業が増えてた際は、この業界はまさに弱肉強食なのだと思った。いかに賢く生きるのかを考えなければいけない。

年々減少しているとはいえ工事現場内での事故も少なくはない。
私の場合は不注意だが、管理責任者として現場に行った際に落ちている工具や資材で爪が剥がれたり、前歯が折れるなどというハプニングもあった。
しかし、そのようなこと以上に後遺症になるようなことや死亡してしまうケースがあったとしたら取り返しがつかないことになる。常に現場では気を張らなければならない。

建設業に携わる者は、現場でのマイナスや事故などあらゆる物事を想定して従事するという考えが当たり前だ。

上記3点を踏まえてそして私の所属する会社を見返した。
今は、営業の立場から別立場で法律に関する立場になったため以前のような労働はないが、この業界の営業職というものは、時代という流れを逆流する古臭い考え方の働き方と立場による優劣つけやすいものなのかと思う。会社も労働条件を改めたいというが、業界そのものの在り方が変わらない限り、きっと完全に実現を迎えることはないのだろう。
そしてそれをブラックというのだろう。

辞めたいと思ったことは数えきれない。今もそう思う。
しかし、この不安定な世の中で就職を失うことと次への不安からまだ一歩を踏み出せないことが今の私をこの業界に在籍させる理由なのだ。
だがいずれ辞めてやるという気持ちはいつもでも胸の中にあり続けると確信している。