通勤電車の同じ車両に小学生のグループが乗ってきただけで別車両に移動する「筋金入りの子供大嫌い人間」から一転、今や世界中の子供を愛し、ご近所のママ達から気味悪がられるほどの「子供好き」robinです。
突然ですがブラック会社にお勤めの皆さーん、子供欲しいですかー?
「やっぱり子供1人くらいは欲しいよなぁ、できれば男女1人づつが理想なんだけど」などと、自分では産めもしないくせに、のんきな理想ばっかり追い求めている哀れなブラック会社勤めの男性諸君!(自分で誘導しといてなんて言い様だ)本当に子供が欲しいんだったらいますぐブラック会社をやめなさい。
「出会い頭に子供が欲しいなら会社やめろとか頭おかしいんじゃねーか?」と思いました?
あえて「頭がおかしい」という部分は否定しませんが、「会社やめちまえ」だけは引っ込めません。(前者も否定しろよ)
実際にブラック会社で勤務しながらの育児を経験してきたrobinから言わせれば、子育てとブラック会社の相性は「水と油」「水と電気」「エスパーと格闘」(いやポケモン知らねーと全然意味わかんねーし)、その相性の悪さを解消するのは並大抵なことではなく、両立どころか共倒れしてしまう可能性のある危険な組み合わせなのです。
あら?まだ信用できませんか? それでは腰を据えて話していくとしましょう。
今回はブラック会社勤めの先輩パパとして、「子育てとブラック会社勤務両立の難しさ」を自分の経験談を交えて語っていきたいと思います。
ちょっと厳しいメッセージも出てくるけど目をそらさないように!
■妊娠時の低フォローは後々まで禍根を残すから気をつけろ
「時間」「健康」「友人」等々、ブラック会社に務めていることで激減してしまうものって両手に余るほどありますが、中でも家族持ちのブラック社員が優先度を低くしちゃいがちなのが身内である「家族との時間」です。(ね、いきなり耳が痛いでしょ?)
「結婚を機にブラック会社へ転職だ!」なんてよほど奇特な人でないといないでしょうから、ほとんどの場合は交際期間からブラック会社と知って付き合ってくれていて、その環境を理解した上で結婚しているため、ブラック会社社員の奥さん達には、そのあたりに関して理解力の高い人が多いのも事実。
robinの場合は元ブラック会社の同僚と結婚しているため特に理解が高く、約束していたディナーが突然のトラブルでぶっ飛んだとしても「あの会社なら仕方ないよねー」と笑って許してくれるほどの懐の広さを持っているとても寛容な妻で本当に感謝しています。
ただ勘違いしちゃいけませんぜ。これは「いつもの日常でだけ通用する話」。
自分でお腹を痛めることもなく、つわり等の体験もしない男性にはちとわかりづらい話ですが、お腹の中で新しい命を授かる「出産」というイベントは女性にとっても「未知の領域」。
特に「初めての出産」を迎える女性は男性が思う100倍くらいは大きな不安を抱えており、いつもはなんでも1人でこなしちゃうスーパーウーマンでさえもこの期間ばかりは強烈に「理解者」「協力者」「相談相手」を望んでいるんです。(あぁ・・あの頃の自分にも聞かせてやりたい)
「いやいや、俺だって家族のために命削ってこのブラック会社で働いてるんだから」なんて思っているのは完全に男目線。
出産を迎えた奥さんは私たちが気づかないうちに「寛容で理解力のある妻」のベールを脱ぎさり、配偶者としての価値をただただ冷徹に数値化できるスカウターを装着してあなたの協力者としての価値を見定めているんですよ。(もう完全にホラーでしかない・・)
この女性目線のシビアさを一度体験して見たらいい。マジ失禁ものですから。
そう、あれは9年前、哀れなブラック会社員robinもその恐怖を目前に控えていました。
妻のつわりが始まろうが御構い無しに終電帰り&休日出勤を続けていたある日の深夜。
つわりの苦しさを語ってくる妻の言葉に空返事を返していることでがバレて妻の我慢がついに爆発。
その後1時間以上延々と協力のなさをなじられるのに嫌気がさし、ついつい「俺も家族のために頑張ってこのブラック会社で働いてるんだから」と余計なひと言を言っちゃった結果
「ブラック会社でしか働けない自分を偉そうに肯定するな!できるもんなら転職してみろ!」
と、今まで経験したことがないエグい角度からのパンチが飛んできて、一発KOされたことがありました。(ぐうの音もでねぇ)
子供が生まれてから今年で9年。我ながら感心する変貌を経て、家事育児全般の70%以上はこなしている現在に至ってもママ友たちが集まる飲み会でアルコールが進んでくると「妊婦時代から子供が2歳くらいになる一番しんどい期間に1mmも助けにならなかった!」と恨み節をぶちまけることは鉄板ネタで、今だに肩身の狭い境遇が続いています。
よくよく考えると知らない間に大きな差が開いてしまった妻とのパワーバランスはこの期間にカタチになっていたようです。(どちらが上位でどちらがド底辺かは察してくれ!)
ブラック会社勤めの男性諸氏に告ぐ。
子供がいる幸せなファミリー像を呑気に思い描いているその空想ぶち壊して悪いが、出産を期に家族仲が深まるパターンもあればその逆のパターンもあるということを肝に命じておいてほしい!
この期間の非協力的な態度は消えない傷となり後々まで尾を引くぜ。そうウチみたいにな!(空元気が身にしみるわ)
■子供の夜泣きで目が覚めない男は本気で蹴られるから気をつけろ
ブラック社員には高いハードルがそびえ立つ出産ゾーンを無事にクリアし、無事元気な子供を授かったからってハッピーエンドのエンディングを期待しているあなた「超甘中の超甘」です。そう、本番はここから。
なんだかんだ言っても産まれるまでは女性の頑張りに頼るしかないところもあるので「頑張ってね!」「大丈夫?」と声をかけたり、話し相手になっているだけでも感謝してもらえたりしますが、産まれてきた子供の面倒はぶっちゃけパパでもできることがいっぱい。
もう協力しない言い訳ができない状況に追い込まれてるってのが現実です。
ここから始まる育児体験の中でも、まずはじめに夫婦の大きな関門として立ちはだかってくるのがそう「夜泣き」ですね。
たまにショッピングセンターのおもちゃコーナーで「これ買って~!」と火がついたように泣き喚いている「昭和レトロな子供」を見かけますがあんなのはまだマシ。
だってあれは泣いてる理由がわかるじゃないですか。つまり解決の糸口(ヒント)が与えられている問題のようなもんですからね。
一方0歳児の夜泣きに関しては完全にヒントゼロの超難問。東大生が頭を抱えるレベルです。
ミルクを飲ませてもだっこしても泣き止まないのに外に散歩に行ったら泣き止むとか(深夜2時の散歩ってもうただの徘徊だから)、どうやっても泣き止まないけど上下運動するとちょっと夜泣きが収まることに気づき、だっこひもした状態でスクワットを繰り返すとか(ブラック会社勤務後の深夜3時のスクワットとかただの拷問だから)。
これが毎夜毎夜ランダムに発生。23時から始まる時もあれば深夜の2時〜3時から始まることもあり、1ラウンド終わって1時間後から第2ラウンドが始まることもザラなのでたまったもんじゃありません。
毎夜毎夜恐怖の夜泣きタイムの始まりにに怯える毎日を過ごすことになるのです。
・・・・・・・とまあ誰も事実を知らないことをいいことに「イクメン気取り」で偉そうに語っているこの姿、妻に見られたら「逆鱗」発動間違いなしなので現実の世界に戻るとしましょう。
この恐怖の夜泣きは相当な爆音で毎夜スタートするのですが、robinが子供の泣き声に気づき自分から目覚めた回数実に「0」です。
そのころは丁度繁忙期のピークで(つっても年中ピークなんだけどな)「始発出勤&終電退社」という状況が長期に渡り続いていて、「体力0以下」から始まるrobinのマジ寝は「ほぼほぼ気絶みたいなもの」。
体力がある程度回復するまでは絶対に目が覚めないように体ができてしまっていました。
元々ブラック会社の同僚でもあり仕事への理解もある妻なので初めのうちは「仕方ない」と思い自分1人で対応してくれていたのですが、連夜の夜泣き対応で疲労がピークに達したある日のこと。
2時間以上泣き止まない子供の横でいびきを立てて寝入っているrobinを見ているうちに「なんで起きないんだよ・・・クズが!」とスイッチが入ってしまったようで、その日以降、スイッチが入りっぱなしになった妻により、子供の夜泣きが始まる度に「目が覚めるまで足蹴にされる」という合法的な暴力がスタートしたのです。
どんな深い眠りの中でもそこまでされると流石に目は覚めるもので、それ以降robinも夜泣き対応に参加してはいたのですが、妻からすれば「いつになったらコイツ自分から目を覚ますねん」とイライラし続け、robinからすれば「疲労のピークに怒りの形相の妻に足蹴にされながら目をさます」という状況なので、せっかく助け合っているはずなのに満足度が低く、ただただ相手に対して不満を蓄積していく期間になってしまっていました。
これは夜泣きに限ったことではありませんが、育児は夫婦が積極的に協力していける環境が作れないとどうもうまく回らないようです。
「たまにお風呂に入れてあげるだけのパパ」とか「休日に子供と遊んであげるだけのパパ」とか、そんなパパを望んでいる奥さんなんてこの世に1人も存在しませんから。マジ気をつけて!
【ひとつ大事なことを言い忘れてた】そもそも生まれてこねーからな
とまあ育児の大変さを語ってきましたが、はっきり言ってこれまでの話はネタフリの部分です。本番はここから。
聞いたことがあるかなあ、、ないだろうなあみんな(遠い目)「ほとんど動いてないですね」「普通の方法ではきびしいかもしれません」とかね。(やべー、泣きそうだ)
そう。ブラック会社勤め最大の問題は、産みたかろうが死ぬ気で協力する心意気があろうが、産めないカラダになってしまうリスクがあるってことなんですよね。
Nスペ並みの赤裸々告白になりますがrobin夫婦が真剣に妊活を初めて1年間。
いやそれこそブラック会社に勤めながらの妊活は超ハード。3秒あれば眠ってしまいそうな時も、タクシーで深夜3時に帰宅した夜も(いやもう早朝だよ)、その日がXデーならばそれこそ命を削って雄カマキリのごとく妊活を行ってきたのですが全く結果が伴いませんでした。
悩んだ挙句に夫婦で不妊治療の病院に行ってお互いに検査してもらったんですが、妻の側には全く問題なし。
「年齢の割にずいぶん若いね!」っていう極めて良好な環境でした。
一方robinはと言うと、これ以上ないといった難しい表情をした担当医に「年齢の割に数がだいぶ少ないですね・・・・あと、弱々しすぎてほとんど動いていない。ほら見てください全然動いてないでしょ」とこれ以上の宣告あんのかよっていうくらい強烈なダメ出しをくらいます。(動いてないジュニアをわざわざ見せつけるって新手のパワハラ?)
検査を終えて病院を出たあと妻が「これからどうする」と一言だけ発して黙りこくってしまったあの帰り道。
これがあの有名な「身の置き場のない」って状況の極みだぜ。よく覚えとけ!(元気な感じで書いてるけど心は泣いてるぞ)
いやわかってます。こういうのって原因は色々な可能性があって「先天的な障害」の可能性があるかもしれないし本当の理由なんて誰にもわからない。
でもね、その頃の自分と言ったら毎日睡眠時間3時間程度、そして毎日理由不明な下痢、エナジードリンク摂取過多、時々原因不明なめまいに襲われるなど体調面の不安が大きく、検査を担当してくれた先生が話してくれた「ストレスによって生殖機能異常が引き起こされる場合があります」というあの言葉・・・・もしrobinが裁判官の立場なら「推定有罪」で完全にクロです。(ブラックなだけに・・・とかどーでもいいわ!)
ま、犯人突き止めたところで子供を産めるカラダが戻ってくるわけじゃないんで本当どうでもいいんですけどね。(最高レベルの自暴自棄)
子供が欲しいと望むみなさん!これがブラック会社勤務で「自分の命を削っている」と思っていたrobinが「未来の命も削ってしまっていた」というリアルガチな現実です。
でも、皆さんならまだ間に合うのかもしれない。
決断するなら今しかない。急がないと取り返しのつかないことになりますよ!!
最後にrobinからひと言
今回は「子供が欲しい」と感じているブラック会社勤めの男性諸氏に送るちょっと強めのメッセージをお送りしました。
最終章では笑いごとではすまない「ちょっと悲壮感漂う話」になってしまいましたが、実はここからハッピーエンドが待っています。
「幸い」と言うか「奇跡」と言うか、たたき上げのブラックが魂が染み込んだrobinのジュニア君は親に似て土俵際に滅法強いらしく、その検査から2ヶ月後「来月から体外受精にチャレンジ」というタイミングで無事ゴールインすることができました!
日頃の行いの良いrobinの場合(それだけは絶対ない)運よく神様が手を差し伸べてくれましたが、これはマジで「奇跡」の話。
賢明でまだ猶予のある皆さんは「ジュニアくんの火事場のクソ力」に頼ることなく健康な体で、健康なお子さんを作ってあげてくださいね!
もちろん産まれただけで満足とか絶対にダメ。
最近「親の虐待」のニュースを良く目にしますが夫婦揃って生まれた時から愛情かけて育てている家庭ではそんな問題は起きにくいですからね。逆に育児に不安があれば産まないであげて欲しいとすら思いますのでそのご覚悟を。
それでは今回はこの辺で。
運動会のかけっこで初めて1番になった小さなジュニアくんに大きな愛を込めて。robinでした。