元々私は、イライラしない性格で、反抗期も無かったように思う。だが、大学生になりバイトをする様になった頃からだろうか、ストレスを感じる事が出始めたのだ。
バイト先は、大学が地下鉄と京阪沿線を使って通っていたのだが、その連絡通路沿いにある居酒屋でバイトをする事になった。
そこは、本社が最も近い場所にあるのと、テレビ局も近いし、ビルとビルの間に囲まれたビジネス街だったからか、スーツを着た人や少々怪しげな人がよく来店していた。
居酒屋には、
・酒好きの男性店長
・ザ、沖縄顔の男性リーダー
・看護士を目指す優しい女性先輩
・四年大学に通う少しおどおどした男性先輩
・テキパキおばちゃん
と、笑顔が売りの私がいた。
来店してすぐからドリンクが待てないリーマンに、毎日来てくれる障害を持たれている6人グループの方、本社の方、記者であろうヒソヒソされてる方が、常連だったからか、毎日ストレスの山だった。
どんな対応でも、何があっても『笑顔』を忘れずに頑張る、17時からラスト前まで。
オーダーもとるし、ドリンクも作るし、
レジも立つし、チラシ配りに、席前で鉄板料理は最終焼いたり混ぜたりする簡単なパフォーマンスもしたりした。
きっと、居酒屋を経験した人からするとごくごく普通のことなんだろう…
だけど、私にとっては何とも言えないストレスに見舞われたのだ。
居酒屋を始めてすぐは、ストレス解消という手段など頭にも無く、毎日イライラと戦い、時には母親に冷たく当たってしまう事もあった。
ある日、
変わったお客様にあった。
「ねぇ、ストレス溜まってない?解消したげたいわ」と。
その日は、雨がよく降っているせいかお客さんがあまりいなく、話しが聞けた。
「目を瞑って深呼吸をする。そうして、大好きな物、うーん…人が1番いいかしら。その人を想い浮かべて」
私は言われた通りにした。
「どんな感じ?」
『うーん、早く会いたいなぁと思います』
「ダメね。ホッとする気持ちや心が温まらなかった。その男はダメ。じゃあ、次は…」
と、彼女は色々と解消出来る方法を提示してくれた。
どれもやってみたいことだらけで楽しみ!
1つ目の、大好きな物・人を想い浮かべるのは、ダメだった…ストレス解消どころか、キュンキュンする気持ちから段々とイライラに変わってきてしまう。いつも朝、時間通りに待ち合わせ場所に来てくれなかった事とかが走馬灯の様に流れてきた。
2つ目は、もらった花びらをお風呂に入る時に使用する事だった。
普段はあまり、湯に浸からないタイプだが、その日はその花びらを使ってみたい気持ちから湯をはった。
まずは、その花びらの香りを鼻で楽しんだ。
ローズ?だろうか、気品のある匂いで、花びらの色も真っ赤な赤で5枚程あった。
花びらを湯船に散らすと、フワッと花びらが溶けると同時に赤い色と匂いがふんわり湯に広がっていく。
ちゃぷんと入ると、花の香りいっぱい感じられながらも湯の温かさに体を包み込まれまったりした気持ちになった。
我が家ではよく、バスタイムにはひのきや柚子といった香りは広がってはいるが、そう言えばロマンチックな花の香りは無かった。というのも母親が花があまり好きではないからだが。
幸せな気分だった。
ポカポカして、今日あった嫌な気持ちももう、吹っ飛んでしまう程。
湯上り母親が、「お風呂はどないやった?」とに尋ねてきた。
実は、お風呂に入れる事を知った母は、湯の温度を38度に設定していた。
確かに、暑過ぎずぬるすぎずで良かった。
リラックスできたひと時でした…。気分転換にもなった。
一つ、ストレス解消方法が見つかるとそればかりはマンネリになりがちだ。
なので今度は自分で探してみた!
三つ目は、カラオケだ。
私はすごく歌を歌うのが大好きだけど、友人と行って歌うのは恥ずかしい。
そこで、妹や母を誘う!
気兼ねなく歌えるのがベスト!
大好きな林原めぐみさんのアニソンを歌う。
林原めぐみさんの曲は腹の底からしっかりと声を出して歌える事が1番で、一曲目は必ず歌うのだ。
どんな声でどんな風に歌っても誰にも咎められない。
調子にのって、デスボイスなんかも出してみる。やっぱり家族はいいもので、受け止めてくれるんだなーとホッとスカッとする。
四つ目は、母親から聞いた解消方法。
寝る前にグゥーッと体を縮めて伸ばしたと同時に布団にダイブする。その後は大きく息を吸って吐いて、大の字になるのだ。
スーッと眠りにつけるらしい。
私もやってみた。体をぐっと縮めて伸ばす事で体のストレスを解放出来、大の字になる事で体をフルに解放して安らぎ態勢に入れる。気分転換が、半端なくやってくる。
気持ちが良かった!
今回は四つほどのお伝えだが、私の一押しは、母親から聞いた解消方法だ!
お金をかけずに寝る前にどこででも出来るのがポイントで、気に入っている。
先に一つ目に紹介した、効果に欠けた物。次は私には効果は無いものの、もしかしたら他者にはあるのかもしらないものを紹介します。
・思い切って大声を出す!…というのは、場所にすごーく限られている為、山や田舎のような場所なら怒られないが、これが出来ればきっとすごい解消方法なんだろうなぁと感じた。大声を出すと言えば、よく雑誌なんかで紹介されているのは、洗面桶に水を張ってその中で大声を出すと、周囲にもれずに済むそうです。試しにやってましたが、私は少々水が苦手な事もあって、喋る前にサヨナラでした。
・指吸いをする…これは私の息子がしている事だが、ストレスを感じた時のみに親指をちゅーっと吸うそう。本人曰く、吸うととっても落ち着くと共に、嫌な気持ちが全部吹っ飛んでいくそうです。ただ、大人には…ちょっと辛い物がありますね。
・ストレス解消方法には相応しくないかもしれませんが、思い切って彼に愚痴をこぼしてみるという事もしてみました。「愚痴でもなんでも聞いてあげる」と受け止めてくれていたので、居酒屋のゴダゴダの愚痴やら、大学の講義中の先生の態度や宿題についての愚痴を言っていると、横から「でもさー」「あのさー」などとグダグダ言ってくる彼の方が逆にイライラしてそれは、ストレスが逆に増大してしまうということもありました。
就職するまでは、ストレスは決して目に見えるものではなく、腹立たしくよく表現としてうまく表せない物だと感じていたが、就職をして、6月くらいだろうか、会社の中にいる看護士さんが訪れて、
「さて、就職して2ヶ月程が過ぎました。ストレスチェックについての話しをしていきますね」
と話しをしにきたのだ。
生きてこの方、ストレスなんぞをチェックした事も無いし、出来る物だとも知らなかったのだ。
チェックは簡単で、ゆったりと落ち着いた中でチェックシートに鉛筆で当てはまる物にチェックをつけていくというもの。
ドキドキのチェックの日。
部屋を個室型に6つ程に分けられた場所で行う。その部屋に入ると神秘的な落ち着くα波の音楽が流れていて、小部屋にはミニデスクとチェアがあった。
座って、一つ一つの項目を読んで当てはまる物にチェックをつけていった。
所要時間は15分程だろうか。
焦る事も、何もなく、ただゆったりした空間の中で行った事を覚えている。
結果は1ヶ月程で手元にきた。
中を開けると、健康診断の結果の表のようになっていて、
・ストレス度何パーセントなのか
・プライベートと仕事でのストレスの感じ具合の比率
・自身はどういった時にストレスを感じやすいのか
・ストレスの発散方法
・ストレスが溜まると、身体へと影響が出る為、あまりにも危険な数値の人は会社にも通達されて、休養を取った方がいいことを知らせてくれる
私は、ストレス度は低く、ストレスが溜まったとしても適度に発散出来ているでしょうとの診断。
プライベートも仕事でもストレスをさほど感じていないでしょうとされていて、やはり、ストレスは目には決して見えない物であるが為に、見えない物を少しでも体で感じとってしまうとそれは、増大なモノだと感じてしまいやすい。
だけど、それがこのストレスチェックテストのように、用紙で自身のストレスの具合を数値化してもらう事で私は安心する事が出来た。
中にはきっと、そんなものを数値化しないで欲しい。信じられない!と思う方もいるかとは思う。
でも、私は今回、就職先でこういった形でストレスと向き合う事が出来て、ストレスへとマイナスなイメージというよりかは、ストレスを感じたらどう対処していこうか、寧ろ、感じれる私は生きているんだ!とポジティブに考えられるようになったのだ。