この記事を読んでいる人は、少なからず転職しようか迷っている人ですよね。
「残業が多すぎてプライベートの時間がない」
「評価がきちんと給与に反映されない」
などの理由で転職が頭をよぎるけれど、うまく転職できるか漠然とした不安がある。そんな人にアドバイスします。
転職を成功させるポイントはたったひとつ。「自己分析」を徹底的にすることです。
「転職したい!」さあ、何からはじめますか?
思いつく答えをあげてみましょう。
「人材エージェントに登録する」
「とにかく求人をチェックしまくる」
「いつでも応募できるように履歴書・職務経歴を書く」
「見栄えのいい履歴書写真を撮りに行く」
「転職活動用のスーツを新調する」
どれも正解です。転職に向けて前向きな行動だと思います。ですが、転職を成功させるために優先すべきなのは、このような行動よりも「自己分析」なのです。
では、何のために自己分析をするのか、自己分析ができているとどんなメリットがあるのか、解説していきます。
自己分析をする3つの目的
転職活動をスムーズに進めるため
やりたいことは何かを明確にしておくことでムダな活動をせずにすみます。
新卒のときは就職活動に割ける時間はたくさんありましたが、転職となると限られた時間で活動しなくてはなりません。できるだけ効率よく転職活動を進めるためにも興味のある業種や職種、希望条件を明確にしておくべきです。
面接に合格しやすくするため
面接で採用担当者が一番知りたいことは、「なぜウチの会社に入社したいのか」です。
自己分析ができている人は、ただ単に職種や待遇だけでその仕事を選んだわけではないので、採用担当者が納得する志望動機を説明できます。
一方、自己分析ができていない人は、どの会社にも通用するような志望動機しか話せません。そうなると、採用担当者は「それってウチの会社じゃなくてもいいよね?はい、不採用。」となってしまいます。
採用担当者の心をつかむ志望動機を語れるようになりましょう。
入社後に後悔しないため
転職するにあたって優先したい条件や働き方を把握していないと、転職してから「こんなはずじゃなかったのに・・・」となってしまいます。もしかすると、自己分析をした結果、「転職をしない」選択がベストだと気づくかもしれません。
ミスマッチを防ぐためにも自己分析は大切です。
異業種&異職種へ転職した体験談
私は新卒で入社した生命保険会社の営業から、人材派遣会社の人材コーディネーターに転職したことがあります。ここでは私の体験談をご紹介しますね。
転職を決意するまで
私は、新卒で生命保険会社の営業に就職しました。「なぜ新卒で生保の営業に・・・!?」と思いますよね。私もそう思います(笑)保険外交員の仕事がラクじゃないことは何となくわかっていたのですが、専門知識が身につく生命保険業界に惹かれたのです。
意気揚々と入社したものの、やはり毎月ノルマを達成するのが大変でした。保険の基礎知識が身につくといったようなメリットもありましたが、それよりもノルマを達成できないときのプレッシャーに耐えられず2年弱で転職を決意しました。
当時の私は、
胸を張って語れるほど営業成績がよかったわけではない。
パソコンは大学の授業でやっただけ。
次にやりたいことが決まっていない。
といった具合で、とてもじゃないけれどスムーズに転職できる人材ではありませんでした。
そこで、まずは自己分析をしてみることにしました。求人を見て、仕事ありきで興味を持てるかどうか考えるよりも、「どんな仕事だったら興味が持てるのか」「仕事に求めるものは何なのか」から逆算して求人を探そうと思ったのです。そうすればミスマッチも防げるのではないか、とも思いました。
自己分析をして気づいたこと
自己分析をするときに最初に振り返ったのは、生命保険外交員のどんなところに魅力を感じて入社を決めたのかでした。
生命保険外交員を選んだ理由
・専門的な知識が身につく
・勉強して身につけた知識を活用してお客さまの役に立てる
・対個人の仕事
・人と接する仕事
・仕事のやり方の自由度が高い
・女性が活躍できる業界・職種
・短期間で結果が出る
生命保険外交員を選んだ理由を掘り下げてみると、興味が持てそうな仕事の基本部分は新卒のときから今も変わっていないなと思いました。大きく違うことは、「もっとお客さまの気持ちに寄り添った仕事がしたい」ということでした。
自己分析をしてみて、私が達成感を得られる仕事は、「お客さまの気持ちを大切に、何か人の役に立てる仕事」だと再確認することができました。
自己分析をもとにやりたい仕事を探す
そんなとき、友人が人材コーディネーターに転職した話を聞いたのです。当時の私は人材派遣すら知らなかったのですが、転職活動の手助けができる人材コーディネーターの仕事は魅力的に感じました。営業に近い要素もあると思ったので、生命保険外交員の経験を生かせるとも思いました。
そこで人材コーディネーターについて調べたのですが、調べれば調べるほど、「社会人経験が2年しかない私には難しそう・・・」と思いました。ですが、もともとポジティブな私は、ダメモトで応募してみました。
結果、人材コーディネーターの求人では1社目で内定をいただくことができました。入社後に聞いたところ、「経験は全く足りなかったけれど、生命保険外交員の経験に基づくバイタリティを評価した」と言ってもらえました。
自己分析をした直後に興味を持てる人材コーディネーターの仕事に出会えたので、約2カ月で転職活動を終えることができました。
勝因は何だったのか
短期間で転職活動を終えることができたのは、どんな仕事だとワクワクしながら働けるのか自己分析をしたからだと思います。
「生命保険会社の営業」から「人材派遣会社の人材コーディネーター」への転職は、一見、共通点がないように見えます。ですが、私の自己分析を元に考えると「お客さまの気持ちを大切に、何か人の役に立てる仕事」という共通点があって、人材コーディネーターの仕事はよりお客さま(派遣登録に来るスタッフ)の気持ちを考えて働ける仕事だったのです。
自己分析をしたことで、なぜ人材コーディネーターの仕事に興味を持ったのか、生命保険外交員の経験をどう生かしたいか、を面接官が納得できるように語ることができました。
人材コーディネーターの経験からアドバイス
大手派遣会社を含め3社で人材コーディネーターとして勤務してきた経験から、少しだけアドバイスさせていただきます。
「自己分析をやってもやらなくても転職活動にはさほど影響しないよ」と思う人もいるかもしれません。ですが、面接をすると、自己分析ができているかできていないかはすぐにわかります。派遣会社で登録面談をしていた私でさえそう感じたので、企業の採用担当者は一瞬でわかると思います。
自己分析ができていないと、自分のできることとやりたいことがかけ離れていたり、採用担当者が「なるほど」と思える志望動機を語れません。そうなると、なかなか内定をもらえずに転職活動期間が長引いてしまいます。
最初にひと手間かけて自己分析をすることで、ぐっと転職活動がしやすくなるのです。
まとめ
ということで、スムーズに転職活動を進めるには、「自己分析」が重要です。自己分析で業種や職種を絞るというよりも、「どんなことにやりがいを感じるのか」「仕事に求めるものは何か」を掘り下げて考えてみてください。
もし一人で自己分析をするのが難しいようでしたら、人材エージェントやハローワークを活用してみるのもよいでしょう。